かつて「北転船」と呼ばれる底引き網漁船が大量に水揚げをしていたころの石巻には60軒もの塩たらこ加工工場がひしめき、 石巻の塩たらこ加工は日本一を誇り全盛期を迎えていました。もちろん辛子明太子の原料として博多をはじめ全国に供給する一大産地にもなっていました。
北洋漁場で日本漁船の操業ができなくなってからは、塩たらこの原卵(スケトウダラの卵)を アメリカやロシアが漁獲したものに強く依存するようになり、買い付け 価格に大きく影響されるようになってきました。2000年を過ぎると買い付け価格の高騰などで石巻の塩たらこ加工工場は次々と倒産し、 かつて日本一を誇ったたらこ生産・供給の一大産地が衰退していきました。
2011年3月11日の東日本大震災の激震と巨大津波で石巻の塩たらこ加工業者のほとんどが被災し、 石巻の塩たらこはほぼ壊滅状態に陥ってしまいました。震災後に工場を再建し設備を復旧し事業再開を果したのは数える程度ですが、復興に向けて確実な歩みが聞こえています。
いまでは塩たらこ生産量日本一というのは、遠い昔のことになって望むべきもありませんが、 旨いもの自慢の一品という質を追求し、かつて日本一だった自負を取り戻したいと考えています。
3・11東日本大震災で津波の去った跡には廃墟が広がり、ただただ呆然とするばかりでした。 精力的に活動するボランティアの方々のお力と励ましを受け、以前のような旨いたらこが食べたいと言うお客さまの声に支えられ、震災後の廃墟から立ち直り復活を果たすことができました。 ひたすら感謝と言うほかありません。 これからも見守っていただきますようにお願い申しあげます。
3・11後の復興の様子を伝える「とうほく復興カレンダー」に、ミツワフーズが復活した直後の様子を伝えるページが掲載されています。